知らんけど

楽天家気取りの考え事と日記

西岸地区、6日間  五日目   あとエルサレムでの入院のこととか

8時くらいに目が覚めて、そのまま外に出た。こんなに大きな市場でも、朝8時台はまだ全体がやっとこさ起き出してきたような空気で、開いてる店もそれほど多くない。あまり朝の早い街ではないみたいだ。 市場をぐるっと歩いて、昨日とは別の店であのコロッケみ…

西岸地区、6日間  四日目

まさにアラビアン・ナイトの挿絵のような、夜明けの光が天蓋ベッドのレースカーテンに漂う薄明かりの中で目を覚ました。ということはつまりかなりの早起きだったわけで、ロビーに降りると当然他に宿泊客の姿はなく、僕がその日最初の朝食になるようだった。 …

西岸地区、6日間  三日目

気付いたら実際に旅してから2か月以上も経ってしまっていた。セメスターの間は本当にやることが多くて忙しくて、こんなものを書いている暇は全然見つからない。なんならあの後また西岸に行ってクリスマスツリー見てきたし。できればセメスターが終わるまでに…

偽善と呼ばれるものについて

大学でパレスチナ問題を勉強していて、イスラエルに留学することになってるんです、と言うと、大抵、日常に馴染みのない武力衝突や遠く離れたアラブ世界に興味を持って、色々と尋ねてきてくれる。 「どうしてそれに興味を持ったの?」「紛争とかって今どんな…

西岸地区、6日間  二日目

初めての、ラマッラーでの目覚め。ホステルで目覚ましのアラームをかけることをなんとなく遠慮して、目が覚めたときに起床でいいや、ってことにしていた。7時半。まずまず。 ルーフトップでフリーの朝ごはん。パンの切れ端に、ジャムやオリーブオイル、ザタ…

西岸地区、6日間  一日目

ほんとは朝早くに出発しようと思っていたけど、洗濯して乾燥機かけて畳んでしまって、ちょっと遠くのATMまでお金を下ろしに行ってたら、結局昼前になってしまった。僕はいつもこうやって遅刻する。 本当に何も決めてなくて、どうやって西岸地区に入るのかも…

西岸地区、6日間  まえがき

パレスチナ問題と総称される、地中海東岸の小さな地域にくすぶる諸問題を語るとき、すべての根幹をなす領土を巡る議論の場において絶対に外せない中心的概念が、シオニズムである。 シオニズムは元々、イエス再臨の前兆として離散ユダヤ人が再び集合し、エル…

パラダイス・ナウ

映画を見て泣くのは、初めてだった。 そして願わくば、もう二度と、こんな泣き方はしたくないと思った。 今まで結構な映画好きを名乗っていたのだが、実は、映画を見ていわゆる”号泣”したことは、これまでなかった。もともと僕が泣く癖のないタチであること…